1. トップ
  2. インタビュー
  3. 憧れの文房具デザイナーとして働く充実の日々。

憧れの文房具デザイナーとして働く充実の日々。

ぺんてる株式会社 梅谷 朋世さん
(デザイン工学部 デザイン工学科 2017年卒業)

芝浦工業大学ではエモーショナルデザイン研究室に所属していました。「若者が好むお酒の瓶の形状」を卒業研究のテーマとし、ビールや焼酎の容器やラベルを制作しました。色々なお酒の形状をもとに5段階で評価するアンケートを実施。持ちやすさやシルエットなど、若者に好まれる形状を探りました。このようなデザインプロセスは現在でも大きく生かされていると思います。業務においてもユーザーへのヒアリングを行い、設計者と共に求められる製品について熟考します。大学では現在に通じる、素地を培うことができました。

私は現在、ぺんてる株式会社の文具の新製品を開発する部署で、デザイン業務を担当しています。文房具に携わりたいと考えて始めたのは、幼少期の頃です。芝浦工業大学を選んだのもプロダクトデザインを学んで、文房具のデザイナーになりたいという明確な将来像を持っていたからです。就職活動では、職種的に工学系以外にも、美術大学の学生がライバルになります。学内の課題をこなすだけでは研鑽が足りないと考え、在学中は広告代理店でのインターンに2年間参加するなど、とにかく経験を積もうと考えていました。

業務においてはこれまでにボールペンやシャープペン、消しゴムなどさまざまな製品を担当してきました。最も印象に残っているプロジェクトは2023年に発売された「Pentel Ain 替芯」です。13年ぶりに実施される、看板商品のリニューアルで、ケースのデザインを私が担当しました。芯の原材料に特殊なオイルを使用したことによる滑らかさと折れにくさが特長で、その性質がケースのデザインから伝わるように心がけました。多くの社員の思いが詰まった製品であるため、そういった意味での責任も感じました。発売されてから、店頭でお客様が手に取る様子を目にして安堵しましたが、一番嬉しかったのは会社見学に訪れた高校生の筆箱から出てきた時です。文房具が好きな子が、ちゃんと使ってくれていることに喜びを感じました。

最近では後輩もでき、指導することが増えました。自分の経験やノウハウを生かしながら、成長の手助けができるように努めています。デザインを教えるというのは、一般的な業務を覚えてもらうこととは異なり決まった手順はないので、非常に難しいと感じます。全てに口を出すということはせず、本人の自主性を大切にし、デザインによる解決のアプローチ方法を一緒に検討したり、相談するなど、サポートするようなスタンスで接しています。私個人としては、今後、ぺんてるが創業以来大切にしてきたカテゴリーである画材のデザインに挑戦してみたいと考えています。まだ担当したことのない製品にも携わることで、プロテクトデザインの道をさらに極めていきたいです。私がデザインした製品が多くの人の手に届くことをイメージしながら、自らのレベルアップを目指します。

デザイナーになりたいと考えている芝浦工業大学の後輩たちには、笑顔を忘れずに就職活動をしてほしいです。また、在学中にできることとしては、一つひとつの課題に一生懸命に向き合うこと。それが就職活動の際に必要となるポートフォリオの充実にもつながります。面接では自分がその企業に入って何をやりたいのか、どのように貢献できるのかを明確に伝えることが大切です。思った通りにいかないこともあるかもしれませんが、リフレッシュしながら夢を叶えるために頑張ってください。