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世界で戦える選手へと成長し、必ずこの舞台に帰ってきたい。

工学部 機械工学科2年 鶴谷 勇人 さん

世界選手権に出場した経験は、人生のターニングポイントになるでしょう。私が取り組んでいるインラインスピードスケートという競技は、スケートシューズでトラックやロードを滑り、タイムやポイントを競うスポーツです。競技自体に興味を持ったのは、姉が持っていたインラインスケートシューズで遊んでいたことがきっかけです。親の勧めでクラブチームに体験に訪れ、そこから遊びにいくような感覚で通い始めました。初めて大会に出場した際、参加者が3人しかおらず、最下位でしたが3位として表彰されたことが嬉しくて競技にのめり込みました。インラインスピードスケートは、国内では東京都や大阪府、愛知県、群馬県などが盛んな地域です。世界に目を向けるとコロンビアや韓国などに強い選手が多くいます。東京オリンピックの新種目候補でもあったなど、近年、注目されている競技です。

私は現在もクラブチームに所属し、学業と両立しながら日々練習に励んでいます。この度、国内で行われた代表選考会で標準記録をクリアしたことで、日本代表に選ばれました。イタリアで開催された世界選手権に出場したのですが、ここでは「圧倒された」というのが正直な感想です。国内で行われるレースとはさまざまな面で違いがありました。まず、一つのレースに参加する人数が違いました。日本では多くても10人前後ですが、世界大会では30人前後でレースを行います。またコースの形状にも違いがありました。国内のコースはカーブの内側が平坦、外側が傾斜のあるバンクと呼ばれる形状になっています。これは競技に慣れていない人でも滑りやすいようにするための設計です。しかし、世界大会ではカーブの内側からバンクになっており、慣れないコースをレベルの高い選手たちと滑るのは非常に難しかったです。

私は複数の種目に出場しました。その一つである10,000mエリミネーションレースは、トラックを2周する度に最下位の選手が脱落するルールで行われます。集団の前方では風の抵抗を受け体力を消耗し、後方では脱落のリスクが生じます。心理戦の要素もあり、ゴールライン付近では熾烈な攻防が見られるのですが、私は集団についていくのに必死でした。結果は予選落ちとなり悔しい思いをしましたが、スタートやダッシュのスピード、大人数で滑る際の位置取りなど、見つかった課題は大きな収穫です。日々の体幹トレーニングやバイクでの筋力強化、世界選手権への対策などを徹底し、次こそは良い結果を残したいと思います。

大会ではアイスリンクで行われるスピードスケートの金メダリストであり、インラインスピードスケートでも結果を残している、バート・スウィングス選手と一緒に練習をすることができました。ドーピング検査への対策として自分が飲む水は他人に触れさせないようにするなど、意識の違いを感じました。また、世界一になり喜ぶ選手の姿を目の前で見たことも、モチベーションの向上につながっています。これまでは日本国内で勝つことを目標にしてきましたが、今の私は世界で戦っていく覚悟に満ちています。今後は15,000mエリミネーションレースで日本新記録を出すこと。そして、次の世界大会で10番代に入ることを目標とし、トレーニングに励んでいきたいと思います。