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自分の殻を破る挑戦で、 成長し自信が持てた。

工学部 情報工学科3年 延本 翔 さん

大宮祭の実行委員長に自ら立候補したのは、大学生活における最大の挑戦でした。それまで部長や委員長といったリーダーのポジションには縁遠く、もちろん自薦したこともありません。どちらかというと引っ込み思案の性格で目立つことは避けてきたタイプでした。芝浦工業大学への入学をきっかけに、そんな自分の殻を破りたいと思っていたのでこのチャンス(大宮祭に実行委員長として関わること)を逃してはいけないと手を挙げました。高校時代の自分が見ていたら驚いたことでしょう。
具体的に準備が始まったのは2021年の8月です。コロナ禍で、どのような形式で開催するかも決まっていませんでした。何より不安だったのは、自身の経験値が低いこと。私が入学した年の大宮祭が中止で2年の時にはオンライン開催だったため、対面形式の大宮祭を一度も体験・体感しておらず、何から手をつければいいのかわからないまま手探り状態で準備を進めました。

実行委員長として一番苦労したのは、140人以上の実行委員のうち3年生が自分を含めて7人しかいないため、メンバーに仕事を割り振って指示を出すというオペレーションに追われたことです。進捗状況を把握して準備が滞らないように臨機応変に人員を配置しなければなりません。数人のグループワークの連携とは全く異なる、大きな組織を運営する大変さを痛感しました。リーダー経験のない私には、人を動かす組織論のノウハウが必要でした。書店に赴きビジネスコーナーに平積みされたリーダーシップやプロジェクトマネジメントの関連書籍に手当たり次第目を通してはヒントを得ていました。スケジュールが計画通りに進まなかった失敗もありましたが、学んだことは非常に多いです。大勢の前で発表したり、メンバーとのコミュニケーションを積極的にとったり、実行委員長としての役割を果たす中で、確実に自分が変わっていく手応えを感じられました。自信がもてるようになったことが最大の収穫であり、成長です。
コロナ禍の集客に確信がもてなかったので、2022年の大宮祭は対面とオンラインのメリットを生かしたハイブリッド形式で開催しました。今回はSNSによる広報に力を入れて、TwitterやInstagram、YouTubeでの情報発信を積極的に展開した結果、閲覧数や“いいね”の取得数など予想を上回る反響がありました。この戦略が功を奏して、大宮祭の当日は朝から大勢のお客様が来場されて行列となり一時パニックになったほどです。幅広い年代のお客様がキャンパスに来てくださり、屋台に並んで飲食を楽しみ、笑顔で帰っていく光景を見たら、それまでの苦労が吹き飛びました。3年振りに対面で行われた大宮祭は大成功だったと思います。

正直なところ将来の明確な夢や目標を持たないまま芝浦工業大学に入学した私ですが、大宮祭実行委員長を経て何か打ち込めるものを探そうという意欲がわいてきました。いま熱中しているのは、大学に入ってから始めたプログラミングです。グループワークでJavaScriptのポーカーゲームを作っているのですが、ゼロから新しいものを生み出す作業はとても楽しい。メンバーと議論しながら意見をまとめて作業を進めるプロセスにも大宮祭実行委員長の経験が生きています。
来年の大宮祭は、さらに大規模なイベントになるでしょう。後輩たちに望むのは、大変だけれど来年もリアルとオンラインのハイブリッドで開催してほしいことです。実行委員会で合宿に行くなど、私たちが味わえなかった大学時代ならではの思い出を作ってほしいと心から願っています。